- PTA溶接
+ 従来溶接が困難とされていた硬質の各種炭化物複合合金の肉盛施工を可能にしたプラズマアーク溶接法。
+ TIG溶接法と同様に非消耗式W電極からアーク発生し、外部よりアーク中に溶材供給して溶接が進行する。
+ 溶接材料は粉末であることが大きな特徴で、以下の利点がある。
①各種材料粉末のブレンドでオリジナル溶材の肉盛溶接が容易。
②炭化物と金属の複合合金など、ワイヤーやロッド等の溶接材料形状に成形が困難とされた硬脆材料も溶接が可能。
当社ではあらゆる一般材料やオリジナル溶材を用いて肉盛溶接を行ないます。これら以外の材料による溶接に関しても是非ご相談ください。溶接試験段階から製品化まで対応致します。
- 肉盛溶接
一般には、溶接とは部材同士の接合(製缶)のことを指しますが、肉盛溶接は溶接の特徴を表面改質技術として応用する手法です。
肉盛溶接を行なう目的には表面改質や形状復元(補修)が挙げられます。品物の表面のみ目的に応じた金属で覆う(肉盛溶接する)ことによって、全体を高価な金属で製作するよりも安価に性能アップが図れます。
また、表面が損傷(腐食や摩耗など)した品物を肉盛溶接により補修することで、繰返しの使用が可能になります。肉盛溶接は、溶射やめっきに比べて厚い層が形成できることや、母材と肉盛層とが冶金的結合することから、耐久性の高い表面改質効果が期待できます。
- MIG溶接法、TIG溶接
+ イナートガス溶接法ともいわれる。
+ 不活性ガス(ヘリウム、アルゴン)で溶接部分をシールドしながら行う。
+ MIG溶接法は半自動溶接法と同様の機構。
+ TIG溶接法はタングステン(Tungsten)電極を用いてアークを発生させる。この電極は非消耗であり、溶接材料は外部から供給(アーク中に装入)して溶接が行われる。
+ 溶接材料は非鉄系も多い。
- MAG 溶接、CO2溶接、
+ 溶接材料はワイヤーを使用する為、連続溶接が行える。その為、半自動溶接法とも言われる。
+ シールドガス(炭酸ガス、炭酸ガス+アルゴン混合ガス)雰囲気により酸化から保護しながら溶接が進行。
+ 溶接材料はソリッドワイヤー(solid wire)、メタルコアードワイヤー(metal cored wire)、フラックス入りワイヤー(flux cored wire)などの種類がある。
+ 溶接材料は鉄系が多い。
- 棒溶接、アーク溶接
+ 最も一般的な溶接方法。
+ 溶接材料はロッド(棒)。
+ 芯線の周りが被覆材で覆われており、溶接金属に特殊元素が添加される。
+ 溶接時に生成されるスラグにより溶接金属が保護される。
+ 溶接材料は鉄系が多い。
- 主な取扱い溶接材料
1.Fe基合金
+低合金鋼
+高合金鋼
+ステンレス鋼
+高Cr鋳鉄
2.Ni、Co基合金
+インコネル合金
+モネル合金
+ハステロイ合金
+コルモノイ合金
+Ni-Cr合金
+ステライト合金
+トリバロイ
3.炭化物複合合金
独自設計による超硬合金
・OFP-C51C , OFP-941C , OFC-31W など自社オリジナル材料が多数
-金属基地中に各種炭化物を分散
-要求性能に応じて材料を設計
-炭化物一例:WC , NbC , CrC , VC 等
・耐摩耗
磨耗には様々な種類の原因がありますが、合金やサーメット材といった高硬度の材料を肉盛溶接により溶着させることで、金属・合金等の母材を摩耗から保護できます。
・耐腐食
さまざまな環境により腐食形態が異なります。
例えば高温下のゴミ焼却炉において一般廃棄物から生成される塩化物腐食や熱間圧延ラインでは水による腐食などが挙げられます。
これらを事前に肉盛溶接により基材を保護することで、延命化を図ることができます。
・耐めっき浴腐食
めっき鋼板製造ラインにおいてロール軸部に使用されるスリーブ、ブッシュ等はZnやAl-Znの成分により著しく腐食を起こし、かつ負荷の多い環境であるため摩耗による損傷も原因とされています。当社ではオリジナル溶材を用いることで適用箇所に応じた長寿命化を図ることができます。
・形状復元
さまざまな環境において損傷した製品は肉盛溶接+機械加工により形状復元をすることができます。
また肉盛溶接により形状復元を行なうことで、補修かつ耐久性を向上させることができます。